数年間担当を持たなかったPが、ついに自分の一番星を決めるまでの話
ここ最近、ずいぶんと冷え込んできました。外を吹き流れていく風も、肌を刺すような冷たさを含んでいます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。お初にお目にかかります。とげりゅーと申します。ここで何をお話ししたいか、というのは、もうすでにタイトルでご存知でしょう。
完全な自分語りになりますし、特に皆さまのお役に立てるような情報もありません。私個人が思い出に浸るための、日記的な側面が強いです。
それでもよろしければ、この何でもない一般人が、担当(≒特別な推し、と私は解釈しています)を得るまでのそこそこ長いお話に、ぜひお付き合いくださいませ。
◯担当について
◯始まり。沼。
〇新天地。出会い。
さて、そんなこんなで2年後。秘めた野望を燻ぶらせたまま、少年は大学生となりました。生まれて初めての一人暮らしです。大きなビルが立ち並び、コマーシャルでのみの存在だったお店が、そこかしこにでんっと構えている、そんな光景。世間一般的には都会とは言えないらしいそこは、それでも、電車も映画館も空想上の産物だった古郷とは、比較にならないほどに煌びやかでした。
ところで、大学生となったわけですが、やっぱり気になるのは友人ができるかとか、サークルどうしよっかなってところなわけです。正直、自分の中にはっきりとしたビジョンなんてありませんでしたし、少しの不安もありました。ところが、ここで自分の人生の中でもトップクラスに幸運であろう出会いがありました。
同学部同級生のK君と知り合ったのです。
ひょんなことからお互いにデレステをやっていることが発覚し、意気投合。そのままよくつるむようになりました。幸運はこれだけでは終わらず、サークルも彼に連れられて駆け込んだところにそのまま入ることになりました。同様のお仲間がいっぱいいるところでして、瞬く間に人間関係が盤石になっていきました。こらびっくり。今でも、そのサークルの諸先輩方、K君、後輩諸君とは懇意にしております。お世話になっております。
さて、そんな感じで仲良くなったK君ですが、知り合って2か月程度の5月末あたりに、彼にとある事件が起きました。先述した通り、彼もデレステをプレイしていたのですが、そんな彼の担当は、最近コラボでその名を轟かせている、家事はお任せのお姉ちゃんアイドル、五十嵐響子さんです。そして、その5月末には、ちょうどデレマスの5thライブ、石川公演が控えておりました。どうやらサークルの先輩方に誘われたらしく、LVに行ってくる、と。当時の彼は、さほどライブには興味が無さそうでしたが、ノリもいい人間ですから。
「響子に一番近い人を見てくるわ」
そう言い残して、彼は週末のライブに臨みました。実はこの時、私もLVに参加しようと思えばできたのですが、すでにその後の福岡公演の現地チケットを所持していたため、初ライブは現地がいいと駄々をこねて、彼を見送る側の人間になりました。
「まあ楽しんできてくれ」
思うところはそれくらいです。そうして私もまた、ただ福岡のライブを楽しみにしながら、週末を迎えました。
〇友の変貌。担当観。
「種崎敦美って、知ってる?」
「は?」
週明け月曜日。開口一番に突然発された名前。なんのこっちゃと聞いてみれば、響子さんの担当声優なのだそう。私も当時は、まだまだ声優さんには疎かった。
「土曜のライブ終わってから、深夜ぶっ通しでこの人のラジオ聞いててさ……。まじでいいんだよ!」
「ああ……そう……」
どうしましょう。知り合って間もない友人がぶっ壊れて帰ってきました。朝っぱらからライブの感想やらその声優さんの話やらをしゃべり倒しています。金曜に「はっはーん。響子の人来んのね?んじゃ、ちょっくら確かめてくるわ」みたいなノリで去っていった人間と同じ存在だとは、とても思えませんでした。君の変貌っぷりには冬優子さんもびっくりだよ。どうやらもともとの担当愛がライブで増幅されてしまったことで、彼の秘めた素質が開花してしまったようです。てぇへんだ、てぇへんだ。
自分が行くライブが楽しみになると同時に、ちょっとだけ恐れも抱いた日なのでした。今後彼は、私が担当Pというものを想像するうえで、異様に強いモデルケースとして残り続けることになります。
ところで。人の担当の話ばかりをしていましたが、じゃあ同じくライブを控えている私はどうなの?なんてことも思うかもしれません。
この時の私は、デレマスにおける担当を、決めかねていました。
そもそも大学に入るまでに2年。その時点で決まっていないのですから。この時点での私は、もう箱推し*2って形で関わっていこうかな、なんて考えていました。いちおう、当時も特に好きだと言える子たちはいたのですが……。その子たちを担当と呼ぶ踏ん切りがつくほどの気持ちでもなくて。結局ここから先もしばらく、私は担当を持たずに過ごしていくことになりました。
どんなジャンルでも、箱推しされている方々も、そこそこいらっしゃるんじゃないかと思います。推し方っていうのは人それぞれですので、自信持っていきたいですね。ただし箱推しはお金が泡のごとく消える。
そしてとげりゅー青年は、そんなちょっとした悩みも抱えつつ、向かってくる初現地初ライブに思いを馳せて、日々の生活を送っていくのでした。
夏場の福岡は暑かったです。籠るのがもったいないほどの快晴、スキップしたいほどの解放感、太陽からのラブコールも激しいものでした。今でも、あのライブ会場の熱気は、鮮明に思い出せます。
〇出会い……?リリース後。
2018年4月24日。この日は、シャニマスの配信日です。前々から予告されていた、アイドルマスターの新作とあって、私たちも楽しみにしていました。それまでにミリオン、SideMそれぞれに新作アプリがリリースされており、それらを触っていた身としても、今回も触らないわけにはいきませんでした。
シャイニーカラーズ配信前には、(確か)公式サイトにて新しいアイドルの紹介と、事前登録の時に引けるガシャのキャンペーンがありました。続々と公開されていくユニット、そしてアイドルたち。イルミネーションスターズ、アンティーカ、アルストロメリア。新しいアイドルたちは新鮮で、仲間たちと感想を言い合いながら、期待に胸躍らせていました。そして最後に、放課後クライマックスガールズ。ついに、私はここで運命の出会いを……。
果たしませんでした。
いや、後々から考えれば果たしてはいるんですが、この時点での私はやはり、特定の担当を持つには至らなかったんです。もともとデレマスの方でも、センターである卯月さんには思い入れがありましたから、こっちでもセンターの真乃さんかな、とか。雰囲気が好きな霧子さんもいいな、とか。そして、和服アイドルで美人でいいなって思った凛世さんとか。気になる子の中にいたのはいたのですが、まだまだ担当なんて考えられない私でした。
さて、肝心のゲーム内容についてですが、これまでアイマスのアプリっていうとリズムゲームばかりだったのもあり、本家765のゲームをプレイしたことのなかった自分にとっては、とても新鮮で楽しいものでした。プロデュースを始めると、ファン数が足りずにシーズン1で終了し「?」ってなったり、サポートアイドルがレアしかいなくてそもそもオーディションに合格できなかったり。システムの理解に結構な時間を費やしましたが、その過程も含めて楽しんでいました。初めてW.I.N.G.決勝に進んだときの手の震えは、遊んだ方ならだれもが経験したのではないかな、と思う次第です。
その過程で、凛世さんをプロデュースする機会も、もちろんありました。ただね、ちょっと当時あったSR凛世さんのスキル、初心者が使うにはちょっと辛かったんで……。配布の方はまだ持ってませんでしたし……。なかなか優勝もおぼつかなかった時期でしたから、用意されたシナリオをすべて見ることも難しかったですね。
ともかくそうやって始めたシャニマス。このゲーム自体も、このときはまだデレマスの方が優先とのことで、ときどき触るくらいのゲームってあたりに落ち着きました。
この辺の自分を思い返すたびに、実はこの時点で結構凛世に惹かれていたことに気づきます。放クライベの報酬カードに映りこんでいた髪おろし凛世に目を引かれていたり、微熱風鈴の実装当時、SSRでもないのにこれ凄くいいって言って引きにいったり。コミュもよかったしね。なんだかんだ、無意識に特別扱いしていたのかもしれません。10月19日。彼女の誕生日の時には、お祝いしたり。彼女の初PSSRが実装されたときには、Trueの取り方を覚えて躍起になって引こうとしたり。引けなかったけどね。クリスマス衣装も、一番取りたかった子は凛世だった。
もうダメじゃん、こいつさ。
〇初イベント。挑戦。
これまで数年の間、自分の担当というものを持てなかった私。煮え切らない男に大きな転機をもたらす機会が、思いもよらないところからやってきました。決して忘れられない体験になったこのイベント。
シャニマス外の人も、聞いたことがあるかもしれません。毎度毎度トレンドになっている、あのPカップです。そもそも3.5周年記念が先日まで行われていましたので、記憶に新しい方も多いことでしょう。皆さま、お疲れ様でした……。
開催数日前に突然告知されたこのイベント。内容は、期間中に増加したファン数をアイドルごとに競うというもの。報酬は、1~10位までがプラチナ称号。11~500位までが金称号(!?)。そしてそれ以降に銀、銅。数人のアイドルでそれぞれ銀を目指してもいいし、この子と決めたアイドルで金以上を狙ってもいい。そして私は、後者でした。
きっかけは些細なものです。もともと、こういったイベントを限界までやってみるっていうのに興味があったんです。変だと思われるかもしれませんけどね。ですが、ソーシャルゲームにはスタミナという概念がありまして。デレステではそれを回復する手段は最終的に課金石になり、学生の身分にはどうしてもやりきれないところがあり、これまで本当に限界まで走りきるってことがありませんでした。その点シャニマスならどうか。一回が長いし、その分スタミナ回復用のアイテムの減りも遅い。ついでに、告知後に1回のプロデュースでファン数100万人を超えられるかをやってみたところ、意外とあっさり達成。それが追い風になり、これなら戦えるかも、と判断。当時はまだ、ファン数を稼ぐことによって取るSランクっていうのは、結構垣根が高かったんですね。そもそもやる理由もそこまでありませんでしたし。アイドルを育てるチケットを取れるくらいかな。そんなこんなで。
「金くらいなら狙ってもいいんじゃないか」
そんな気持ちで始めました。
走るアイドルとして選んだのは、凛世さんでした。
実際にやってみたらどうか。これが、意外と上に行けてしまう。ちょっとスタート遅れましたが、サークルの部室に行ってぽこぽこスマホを叩いてみたところ一桁順位をキープ。これがいけなかった。
「これ、もしかして10傑ある?」
そんな考えが脳裏に浮かんで、初めてのイベントにテンションが上がっていたのも相まって、やり切ろうと決断してしまうのでした。確か、大学も長期休暇の期間中で、それだけに集中できた環境だったというのも理由の一つでしたね……。
当時、このイベントにはお休み期間というものがありませんでした。24時間いつでも走れる、という環境。それはつまりどういうことかといいますと、本当に上位を目指す場合、24時間の中で可能な限り走り続けなければいけないということです。これはどんなソシャゲでも一緒です。止まってたら抜かされますから、他の人たちに負けないためには、走れる時間いっぱいまで走るのに充てるしかありません。馬鹿なことだと思う人もたくさんいらっしゃるでしょう。でも、やってみると楽しかったんです。これが意外とね。あと、別アイドルではありますが、社会人なのに睡眠時間削って、あげくライブにまで行きながら走ってるとかいう、もう何というか気が狂ってる先輩が割と身近にいたのも理由の一つかもしれません。この人最終4位らしいっすよ。意味分からんよな。寝ろよ。
話が脱線しましたが、私もそうやって走り続けていました。ランキングを確認しつつ、最上位の人たちには効率も速さも及ぶべくもないながらも、唯一の仲間のiPhone7をぺしぺししながら、時たま入る外しようのないリアルクソイベに悪態をつき、走り続けていました。10日間くらい。まだまだやれるぞ、絶対取れるぞ、そう信じながら。プラチナを目指して。
【最終結果】
今回はこれより上には行けないと見て退散です
— とげりゅー (@Togeryu) 2019年2月18日
途中まで圏内だったりとかプラチナ行けそうだったのもあって正直めっちゃくちゃ悔しいので、また次走る機会が来たときには頑張ろうと思います pic.twitter.com/F9VcQeck8o
結果だけ書くと、叶わなかった。
〇敗北。自覚。
今までアイマス系列で一人に絞れたことってなかったから
— とげりゅー (@Togeryu) 2019年2月18日
担当という括りで分けたくは無いけれど、ああ一番好きなんだってアイドルを見つけられたことを、この悔しさで実感できてることは、俺が今回走ったことで得られた最大の収穫だったと思うな
◯再挑戦。そして。
前回の敗北、その悔しさにリベンジすることができました
— とげりゅー (@Togeryu) 2019年4月24日
やってる間に、総合10億いきたいだとか、ポイント6億のせたいだとか、ポイント調整したいだとかやりたいことが増えて、全部達成出来たことが嬉しくて仕方ありません
今日からは枕を高くして眠れそうです
皆さん本当にお疲れ様でした pic.twitter.com/LED2CPxC2h